【体験/書評】『ぶらナポ』は、読む飯テロ!
※これはPR記事です
こんにちは。『ダンラク』ライターの坪内悟です。
緊急事態宣言で飲食店が時短営業になって、
いままで外食が多かった人も、自炊する機会が多くなってきたのではないでしょうか?
そんな中、料理が苦手な人でも簡単にできるのが、「スパゲッティ」ですよね。
なんたってスーパーで買ってきた乾麺を、塩を入れたお湯でゆでるだけですもん。
レトルトを買ってきて湯煎すればいい(私は麺と一緒に鍋にぶち込んで温めます)『ミートソース』や『カルボナーラ』なんかのソース系もいいですけど、
そこまでせず、ケチャップをぶっこんでフライパンで炒めるだけの『ナポリタン』もおいしいですよね♪
でも!
このシンプルな『ナポリタン』という料理。
知れば知るほど、奥が深いものなんです。
今回は私がそれを改めて実感した “あの本” にまつわるお話をしましょう。
そう、あれはおととし2019年の、暮れも差し迫った12月14日……
あ、話を始める前に、
【注意】この記事は、決しておなかがすいたときには読まないでください。
× × × × ×
あの日、陽も落ちてかなり暗くなった中、私は東京・田原町の片隅を急いでいた。
かつてお隣の浅草で長いことバイトをしていたのだが、この辺りの土地勘はゼロ。
iPhoneのマップとにらめっこしつつ、ちょっと心配になりながら時間を気にして足早に歩く。
すると浅草通りから一本入ったところに、ガラス張りの入り口から漏れる光が見えた。
「あれ……かな?」
※その日の様子ではありませんが、こんな感じの外観です↓
こっちも降ってます。 pic.twitter.com/nIUZtZu5t5
— Readin'Writin' BOOKSTORE(落合博/「新聞記者、本屋になる」(光文社新書) (@ochimira) January 28, 2021
たどり着いたのは、『Readin’Writin’ (リーディンライティン)』。
ちょっとお洒落な、小さな本屋さんだ。
バツグンにセンスのいい選書に満足♪『Readin’Writin’ 』
ドアを開けて驚いた。
かなり高い天井に、壁面には本がビッシリ。
※その日の様子ではありませんが、こんな感じの店内です↓
昨夜の店内です。 pic.twitter.com/OSbiRsdclA
— Readin'Writin' BOOKSTORE(落合博/「新聞記者、本屋になる」(光文社新書) (@ochimira) September 20, 2020
1月の営業は終わりました。
明日は定休日です。
2月2日から新しいフェアを始めます。 pic.twitter.com/QwZ40SYEyt— Readin'Writin' BOOKSTORE(落合博/「新聞記者、本屋になる」(光文社新書) (@ochimira) January 31, 2021
もとは材木の倉庫だそうで、なんと中二階まであり、購入した本はそこで読むこともできるのだという。
また、小さな本屋さんだから、大型書店と違ってなんでもかんでも本を揃えられるわけではない。当然店内に並ぶ本は、店長さんのセレクションとなる。
覗いてみると、『桃太郎が語る 桃太郎 (1人称童話)』や『いんちきおもちゃ大図鑑』など個性的な本が並ぶ。
私も前から目をつけていた本だ。ラジオでも紹介した本もある。
すでに購入済みのエドワード・ゴーリーの本もあったりして・・・
俺のサブカルセンスにドンピシャやんけ。
こういう自分の好みにあう本屋さんに出会うと幸せを感じる。
もう通っちゃいそうなレベルである。ヤバい(もちろんいい意味で)。
その素晴らしいお店のセンスは、↑上記リンクの公式サイトを覗いてみてほしい。
で、なぜ私が時間を気にしていたかというと、
ここではその12月は「駒草出版フェア」が開催されていて、
その一環として、駒草出版から発売されたばかりの
の出版記念トークショーが行われるからだったのだ。
食べ歩き評論家「下関マグロ」さんによる、50年にわたるナポリタン食べ歩きの記録。
「なぜ下町のナポリタンは旨いのか?」と題されたこのトークショー。
写真を映すスクリーンを背にして、作者のマグロさんと、担当編集さんがナポリタンを熱く語った。
※その日のReadin’Writin’さんのツイッターはこちら↓
「ぶらナポ 究極のナポリタンを求めて」刊行記念トークイベント
下関マグロさん(左)#駒草出版 pic.twitter.com/UpfdV9jlht
— Readin'Writin' BOOKSTORE(落合博/「新聞記者、本屋になる」(光文社新書) (@ochimira) December 14, 2019
本の内容に従って、「ナポリタンのうまい店」をひたすら紹介。
もぅ聴いてるだけでおなかがへる、いわば「飯テロ」状態である。
さらに小さな店内なので、私の座った席が、まぁマグロさんに近い近いwww
スクリーンには巨大なナポリタン画像が映り、余計に腹がへってくるw
ライター坪内も行った、ナポリタンがウマい店
マグロさんと担当編集さんは連れ立って、ナポリタンのうまい店を巡ったそうで、
まぁ詳しいランキングは本の中身を覗いてほしいのだけれど、
入谷の『SUN』や桜木町の『センターグリル』など名店が続々登場。
本に掲載された店には、私も行ったことがあるところがいくつもあった。
例えば……
銀座の『ジャポネ』
ショッピングモール「銀座インズ3」の中に入っているのだけれど、昔はこの隣にディスカウントストアがあって、よく親とそこで買い物をしていた。
高校生くらいになって、ひとりでそのディスカウントストアに行くようになり、帰りにはよく『ジャポネ』に通ったものだ。
あのバーカウンターみたいな高い椅子に座って、大盛りのスパゲティを楽しんだのも懐かしい。
小松菜が入っているナポリタンは、味も昔から変わっていない。
マグロさんによれば『ロメスパ※の聖地』だそうで、お昼時はサラリーマンの行列が絶えない(ヘタしたら1時間くらい待つそう)。
15時~16時くらいの来店なら、すんなり席に座れる可能性が大きいとのこと。
テイクアウトなら並ばずに購入して食べられるとマグロさんがオススメしてくれたのだが、編集さんいわく「その場で出来立てを食べた方が断然うまい」とのこと。
この辺の2人の正直な意見の相違がトークショーならではの面白さだと思う。
早い、うまい(しかもガッツリ)、安いが三拍子そろったサラリーマンの味方なのだ♪
新橋の『むさしや』
ニュー新橋ビルの1階にあり、こちらもカウンターだけの洋食屋。
紐みたいな “のれん” が特徴的である。
座る前の、順番に並んでいる最中から、ちょっとホリエモン似のマスターにオーダーを告げる。
そしてしばらくして出てくるのが・・・
オムライス。
すみません、俺ここでスパゲティ食べたことなくって。
目玉メニューの「オムライス」しか頼んだことないんです。
(卵の中のチキンライスがチョーウマ!)
……って思ってたら、マグロさんもそうだったみたいwww
でもちゃんと、オムライスには付け合わせのナポリタンがついてきますよ!
(単品の『ナポリタン』とは味付けが違うみたいだけれど)
チェーン店『スパゲッティーのパンチョ』
昨日も行ったわwww
マグロさんによれば、1990年代に『イタめしブーム』が到来し、
「ナポリタンってイタリア料理じゃないじゃーん!(そう、ナポリタンは日本発祥)」とケチをつけられてナポリタンはことごとく姿を消したのだが、
それに反抗するようにのろしを上げたのが、この『パンチョ』なんだそう。
普通のナポリタンももちろんうまいのだけれど、目玉焼きやチーズ、ベーコンなどをプラスすることでおいしさUP!
そしてなにより私がオススメしたいのが、冬季限定『シチューナポ』。
アツアツで、塩味がイイ感じで効いた濃厚なホワイトシチュー(ゴロゴロのチキン入り)が、ナポリタンとタッグを組んで無双モードに!
このボリュームに大満足な一品♪ ヤミツキになりますわ。
家に帰るまでがナポリタンです
トークショーではさらに、マグロさんがワケありな数件をピックアップして、「この店はすぐにでも行ってほしい!」としきりに言っていた。
その理由は、「店主が高齢だから」。
不謹慎と怒られるかもしれないが、これはホントにそう。
私も週3~4くらいで通っていたお気に入りの家系ラーメン屋(方南町にあった名店『桂家』)があったのだが、オヤジさんが亡くなって閉店。
二度と味わえなくなった経験を持っているから。
店主が辞めても常連が受け継いだ銀座の辛来飯(カライライス)店『ニューキャッスル』みたいになればいいんですけどね。
今回の『ぶらナポ』は下町の店を中心に取り上げたみたいなのだけれど、他の地区のナポリタンの名店ももっと聞いてみたいなぁと思った。
私的なオススメは、赤羽のエキナカにある焦がしナポの店『ナポリの旋風』や
笹塚でいったん閉店したのに復活した老舗洋食屋『ロビン』
なんかもオススメしたい。
しかしホントに、トークの途中から、一刻も早くナポリタンが食べたくて仕方なかった。
頭のなかに浮かぶのは、映画『TRICK-劇場版-』の「ナポリタン喫茶」。
お客全員がナポリタンを貪り食ってる光景でしたw
そんなこんなで
『自分で作れる、入谷『SUN』のナポリタン再現レシピ』の公開や
質疑応答なんかもあって、90分弱のトークショーも終了。
本当に「ナポリタンって奥が深い!」と感じさせられた。
最後にはお土産として太さ2mm以上の極太パスタが配られ、
(ナポリタンには太い面のほうが適しているそう。袋に記載された2倍くらいの時間、茹でちゃった方が美味しいとマグロさんが言っていた)
家に帰ってからもナポリタンが楽しめる仕掛けが心にくいなぁと思った。
そして、みんなであれこれ「たしかにあそこがウマい」「いや、あそこのほうがウマい」などと談義するのもいいのではないだろうか♪
今回のトークショーの元になった本、
下関マグロ:著 (駒草出版刊)
にはもっと詳しく「下町ナポリタン」の魅力がぎっしり♪
※詳しくはこちらから(駒草出版)↓
あ、でも決して夜中のおなかがすいたときに読まないでください。
頭からナポリタンが離れなくなって、すぐにでも食べたくなっちゃいますから。
実際私も、トークショーのあとナポリタンが食べたいのを我慢しつつ、急いで田原町から新宿へ移動。
新宿末廣亭で深夜寄席を観たのですが……
落語家さんの「そばをすする」シーンがずーっと、
「ナポリタンを食べる」シーンに脳内変換されちゃいましたから。
くれぐれもお気をつけください。
読むのは「すぐに食べに行ける時」がオススメです。
× × × × ×
あの日一緒に会場にいた先輩社員も、外出自粛生活中、ここで紹介されたレシピを参考にして実際に家でナポリタンを作っているそう。
パパが腕を振るい、奥さんや子どもたちも「美味しい!」と大喜びだといいます。
あなたもぜひいろんなナポリタンを食べ歩いて研究し、自宅で “自分オリジナルの最高ナポリタン” を作ってみてください!
<書籍データ>
ジャンル:生活実用
「ぶらナポ ―究極のナポリタンを求めて―」
著者:下関マグロ
刊行年月:2019年12月
A5判/並製 144ページ
ISBN 978-4-909646-26-2
定価: 1,540円(税込)
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ライター。俳優や放送作家、ラジオパーソナリティ(かわさきFM『平成POPオヤジーズ』放送中)としても活動。