【書評】土曜は朝から笑い倒せ!「ナイツ 午前九時の時事漫才」!
※これはPR記事です
私、もともと番組のリスナーでして。
まず最初に言いますとね、毎週何かしらニュースがあるとは言っても、週に1本漫才のネタをコンスタントに書き続けるって大変なことですよホントに。人を笑わせるって案外難しいことなんですから。よくも5年間も続けてくれましたよ。感動しちゃいますよホントに。ねえ。これからもよろしくお願いします。楽しみにしてます。
じゃ、そういうことで本の紹介、行きますよ。
TBSラジオ『土曜ワイドラジオTOKYO・ナイツのちゃきちゃき大放送』編
「土曜ワイドラジオTOKYO・ナイツのちゃきちゃき大放送」は、「永六輔・その新世界」の後番組として2015年に始まりました。永さんとピノコ(※)、蝮さんや週ごとのゲストによる粋で濃くて渋く、それでいてどこか軽快でもあった「永六輔・その新世界」が終了した後に新たに始まる番組のMCが漫才コンビであるということには、当時のリスナーは期待半分、不安半分の心境だったように記憶しています。永さんの世界観がもう確立してましたしね。
(※…外山惠理アナウンサーの愛称。他にも「ワンちゃん」などあり)
(↑クリックすると公式ページへ飛びます)
しかし継続は力なりというか、今ではすっかり、TBSラジオの看板番組みたいな存在感になっています。もちろん、番組アシスタントの出水麻衣アナウンサーのおちゃめな魅力も合わさってのことですけどね。
チャンカチャンカチャン、チャンカ…の出囃子から始まるこの番組は、毎回冒頭にナイツの時事漫才が入ります。土曜日の朝の放送なので、その週に起きたいろんなニュースや出来事を面白おかしく弄っていくスタイル。この本は、その漫才の中から選りすぐりを収録した、いわばベスト盤みたいな感じです。
読むとその頃に世間様では何が起こっていたか思い出すことができますよ。
真面目な話もしますとね、漫才の世界ではナイツはまだまだ若手です。塙さんは自称老け顔だけど。
それでもこの二人、名だたる漫才師の師匠たちが数多く所属する「一般社団法人・漫才協会」の役員としても活動しているんです。土屋さんは常任理事、塙さんに至ってはなんと副会長です!この若さで…!人気、実力はもちろんのこと、若い世代の人たちにも積極的にアピールしていこうという漫才協会の狙いもあるのでしょう。
そのせいか、ナイツの師匠イジリはスゴイ(笑)どんなにキャリアのある師匠でも番組内でガンガン弄っていく。もはや不仲がネタになっているおぼん・こぼん師匠だって弄り倒していきます。そんなん言って大丈夫なのかって聞いてるこっちが引くくらい。でも問題にならないのは、人柄と関係性の良さでしょうね。愛のあるイジリとはまさにコレ…!
長年、二人が師と仰ぎ、慕ってきた内海桂子師匠が2020年8月22日に永眠された際にも、二人は番組で桂子師匠を元気に弄ってました。ツッコミが物理的にキレッキレで、師匠がはめていた指輪は完全に凶器だったとか(笑)97歳という大往生であったこともありますが、最後まで舞台に立ってファンを笑わせ続けた桂子師匠を、明るく送り出してあげたかったのでしょう。今でも、「我々は協会の中でも内海桂子派だ」と断言しています。
塙さんの、時には無茶ぶりじゃないかと思うようなボケに冷静にツッコミを入れる「じゃない方芸人」土屋さん。冷静に見えて実はこの人もかなりの曲者ですよ。「凱旋門賞を見に行きたい」とか言いだして「ちゃきちゃき」の生放送を欠席して突如フランスに行っちゃうくらいには破天荒。(予告なし。ちなみにその日のオープニング漫才は出水アナが急遽代役を務めてました。緊張ぶりが良く伝わってきました笑)
あと塙さん曰く「誰も見てない」けど延々続けている「消しサカ(消しゴムサッカー)」YouTubeチャンネルとか。
「収益化とか考えてない、飽くまで趣味(土屋さん談)」らしく、チャンネル登録者や再生回数はサッパリなもよう。なのにこれ、番組内でイベントを企画して、消しゴムサッカー・つちやのぶゆき杯とか開催してるからね…恐ろしい子!地味に行動力スゴイ!メガネかけた顔が印象的だけど、毎回スタジオではノーメガネらしいわよ…それじゃ何処の誰だか分からないじゃないの!貴方の本体はメガネよ!!だから共演者からADさんに間違われたりするのよ!!
そして塙さんは塙さんでテレビ朝日系ドラマ『警視庁・捜査一課長』で内藤剛志さん演じる一課長の運転手役としてある意味大活躍!
この謎の抜擢に「演技が棒過ぎる」「表情筋が殉職してる」などといじられ、一部からは大絶賛でした。それを受けてこのオープニング漫才の中でも塙さんはちょいちょい俳優風を吹かせています。「本業は役者です」のボケが新たに加わった瞬間でした。
テレビやラジオで大活躍、と言ってもナイツの主戦場はやっぱり舞台。忙しく日本全国を飛び回っていても、月に1回は必ず浅草・東洋館(写真の浅草演芸ホール内)で漫才を披露していますよ。時には「ちゃきちゃき」で放送するために作った漫才ネタを舞台に逆輸入して見せることもあるのだとか。
他にもこの番組にはぜひ聞いていただきたい名物コーナーがいろいろあります。
「ちゃきちゃきリポート・TOKYO潜入大作戦」コーナーでは毎週リポーターがスタジオと中継を繋ぎ、その週にニュースや話題になった場所などに実際に行って、街行く人にインタビューしたり、施設の突撃リポートをしたり…中でも個人的に面白いのが、時々ピンチヒッターとして登場する、ナイツと同じ漫才協会・マセキ芸能社所属、中津川弦さん(通称・弦さん)のネタ芸。
中継地点で、これは!と思った人に声をかけ、「面白いですよ!」と自賛してから始めるネタは大体が微妙なのですが、これを見せられた街行く人の反応も興味深いです。(たまに珠玉のネタが繰り出されることもあり、スタジオで聞いているナイツの二人や出水アナが感心しています)塙さんの「おカヨ坊(弦さんの奥様)イジリ」も必聴です!脱力して聴けるコーナーですのでおススメ。もちろんいろんなイベントや、スポットの情報を知ることもできますよ!
また「ちゃきちゃきテレフォン・聞いて聞いて!」のコーナーでは、電話でナイツの二人と出水アナと直接話すことができます。
番組のリスナーがちょっとした悩み事や気になっていることなどを気軽に話せるコーナーです。まったりとゆる~く世間話ができますので、聞いてもらいたいことがある人は要チェックですよ!一応、リスナーからの電話を繋ぐ、というていにはなってますがたまにそこそこ名の知れた専門家や芸人さんが一般人のフリをして電話を掛けてきたりします。スタジオで、フツーに女性から掛かってきた電話を受けたところ、なんとその女性は森三中の黒沢かずこさんだったこともありました。
そして忘れてはならないのがやはり「2か月に一度の男・ねづっち」ですよね。
「初心者歓迎!まっぴるま大喜利」という番組の佳境に放送されるコーナーですが、2か月に一度、謎かけ大会が行われています。通常はお題を発表してそれに関する大喜利をリスナーから募集するのですが、この謎かけ大会の時のみ、スタジオに謎かけ名人・ねづっちさんが登場します。ねづっちさんにリスナーと同じお題で即興謎かけを作ってもらい、リスナーVSねづっちでどちらが面白いか塙さんがジャッジするというなかなかに濃いコーナーになるのです。即興とは言え名人ですから、ねづっちさんの方が面白いネタを作るのかな?と思いきや、リスナーも負けていません。今のところ、4:6くらいの割合でねづっちさんが辛くも勝利している、といったところ。思わず聞き入ってしまうコーナーです。
ちなみに番組内で塙さんがよく「ねづっちのです!」と言ってネタをパクるので、ねづっちさんもYouTubeで反撃しています。仲良きことは美しきかな。
しかもこの番組、生放送だからハプニングが起こることもあるんですよ…いつぞやはオープニング漫才の最中にスタジオの窓に掛かったカーテンが落ちてきちゃって、それを見た塙さんが笑いをこらえきれず、始めから漫才をやり直したんだけど、なんとガムテープで留めてただけなのが外れちゃったからというお粗末なスタジオ事情が明らかになったり…。
そういうリアルも楽しんでほしいので、この本を読んだ方はぜひ、土曜日の午前9時にはラジオの前でスタンバっていただきたいですね。
え?時間が合わない?…大丈夫、そういう方はスマホやパソコンの「Radiko」アプリで聞いてください。
タイムフリー機能を使えば、過去1週間以内に放送された番組を遡って聞くことができます。「Radikoプレミアム」なら放送エリア外でもタイムフリー機能が使えますよ!
<書籍データ>
TBSラジオ『土曜ワイドラジオTOKYOナイツのちゃきちゃき大放送』編
2020年7月31日 発売
四六判/並製 352ページ
ISBN 978-4-909646-30-9
定価 1,760円(税込)
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※現在、駒草出版の「こまくさWeb」では、本に入りきらなかったトークも掲載中。
ぜひのぞいてみてください。
ストロベリー・スマッシュブレイド
旅スレを徘徊する絵師。ウサギとゴシック&ロリヰタをこよなく愛す。全体的に黒い。
梅干し大好き。 Macのこととなるとキョドりがち。フォカヌポウwww