多言語対応は外国語じゃなくてもできるんです!「やさしい日本語」を知っていますか?
「やさしい日本語」という言葉を聞いたことはありませんか?
これは、日本語に不慣れな外国人にも伝わりやすいように語彙や文法を簡単にした日本語のこと。
近年、様々な言語のルーツを持つ外国人が増加する日本において、多言語対応の1つとして注目されているものなんです。
“日本語” で外国人としゃべるの……?
でも、「多言語対応なのに日本語?」と不思議に感じるかもしれませんね。
実は英語・中国語での多言語対応は進んでいる一方で、日本で暮らす外国人の割合をみると、
英語・中国語のいずれも母語としないアジア圏の外国人がほとんど……という現状があるんです。
そうした背景も後押しとなり、外国人を幅広くカバーできる言語として「やさしい日本語」に取り組む動きが活発化しているのです。
昨年2019年秋の台風19号の際には、NHKや一部の自治体がTwitterで「やさしい日本語」を使って災害情報の発信をしました。
【がいこくじん の みなさんへ】
たいふう19ごう が 12にち~13にち に にしにほん~きたにほんの ちかくに きそうです。 たいふう19ごう は おおきくて とても つよいです。 き を つけて ください。
(↓よんで ください)https://t.co/47Pb7NhZu6 https://t.co/kHlFxQUAnG pic.twitter.com/tFVzDtGTMa— NHKニュース (@nhk_news) October 9, 2019
また政府からも「今年の夏までに『やさしい日本語』のガイドラインを作成する」といった発表がなされるなど、
観光だけではなく、働き手としても外国人の受け入れが進む日本社会で、「やさしい日本語」の積極的な導入が期待されています。
「やさしい日本語」ができたのは、あの災害から
そんな「やさしい日本語」は、どうして生まれたのでしょう?
そのきっかけは、1995年に起きた阪神淡路大震災。
この記録的な震災では、日本人だけではなく多くの外国人も被災していたのですが、
「緊急時に発信される情報の難解さ」や「日本語以外での対応の不十分さ」が問題となりました。
そうした状況下でも外国人に早く・正確に伝わりやすいようにと考案されたのが、
「やさしい日本語」の始まりといわれています。
日常の中の「やさしい日本語」
外国人の減災・防災を出発点として始まった「やさしい日本語」ではありますが、近ごろは私たちの身近でも使われ始めています。
NHKの運営するニュースサイト「NEWS WEB EASY」では「やさしい日本語」でニュースが読めたり、
愛知県豊橋市では、外国人のゴミ出しマナーを巡って起こった地域のトラブルをきっかけに「やさしい日本語」の指定ごみ袋が導入されたり
……といった具合に、生活面での活用も見られるようになりました。
また最近では、長野県の「コロナウイルスに関する相談を開始」という告知にも使われていました。
がいこくじんの みなさんも ころなういるすの そうだんが できます
17のことばで でんわ できます
ばんごうは 0120-691-792 です
この でんわは むりょう です
ころなういるすの そうだん といえば はなせます
しんぱいな ことは そうだん しましょう
いつでも でんわ できます pic.twitter.com/08pOK1jQ2J— 長野県防災 (@BosaiNaganoPref) February 27, 2020
外国語を一から学ぼうとするのはコスト的にも労力的にも大変ですが、
慣れ親しんだ日本語がベースの「やさしい日本語」であれば、誰でも使いやすく学びやすいというのも大きなメリット。
隣人や同僚として外国人と接する機会が増えつつある今、コミュニケーションのために何か始めてみたいと思ったら「やさしい日本語」を学んでみてはいかがでしょうか?
この『Proof Reader』を運営する株式会社ダンクでは、「やさしい日本語」について本格的に取り組んでいます。
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