地図は嘘をつく? ~考えるな、感じろ!~
マンションの売り出しチラシなどに載っている地図をじっくり見たことはありますか?
物件の近くにどんな施設があるかなど、住環境を確認するのに必要です。物件を売る(貸す)側も、できるだけたくさんの情報を載せてアピールしたいものです。
以前、ある賃貸物件の広告を見ていたら、こんなことがありました。
所在地が記載されている案内図は広範囲にわたるもので、もちろんランドマークになるようなお店や施設が多数表示されていました。
ところが地図上部に、建物名や公園名などのない、不自然に空いた土地があるようなのです。
広めの駐車場や、住宅の大型開発地である可能性もありますので、他の地図でその場所を調べてみたところ、そこは「拘置所」でした。
住まいの周辺に何があるかは重要です。
スーパーやコンビニが多くあれば便利ですし、学校や病院、交番などがそばにあるなら安心ですよね。
ですが刑務所や風俗店、遊興性の高い宿泊施設などが近くにあると、やはり印象は良くないし、安全とは感じられないでしょう。
そういったネガティブな情報は、あえて広告に載せないことがあるのです。
ちょっとフェアじゃないとも感じますが、そもそも条件を全て満たした完璧な物件などまずありません。実際に足を運んでみて、自分の目で見てからマイナス面についてどれだけ譲歩できるか考える方が現実的です。
そのためにも、良くない情報による悪い先入観を与えないよう、ある意味「嘘をつく」ことは必要であり、全てを馬鹿正直に公開することだけが良いとは限らないということです。
また、こういうケースもあります。
都内の一等地に建つビルの案内図。ビルの北側に、やはり同じような無名の空間があります。
そのスペースには何やら草木のマークが所々にあり、「緑地かな?大きい公園なら良いセールスポイントになるのに」と思って調べてみると、そこはなんと「赤坂御用地」。
安全性や高級感をアピールするにしても、皇族方のお住まいを利用するのはいささか気が引ける……といったところでしょうか。
なんにせよ、何事も移り変わりの早いご時勢ですから、お店や道路といった地図の情報などあっという間に変わってしまいます。
あまり過信せず、自分の目で見て確かめるのが一番と言えそうです。