それで? 言いたいことはなに? ~わかりやすく伝える工夫~【後編】
『それで? 言いたいことはなに? ~わかりやすく伝える工夫~』、
【前編】では、
相手にわかりやすく伝える工夫について、「新聞の見出し」を例にお話ししました。
【後編】では、
私たち「校正者」が仕事の中で普段から意識している、「結論から伝えること」についてお話ししましょう。
・・・・そもそも校正の仕事とは、
基本は情報の元となる原稿と、原稿を元に作られた校正紙を見比べて「原稿と校正紙の差異」や、そもそもの「原稿(の情報)の間違い」を見つけて、それを簡潔に伝えること、です。
「簡潔に伝えること」が特に重要であり、誰が見ても100%同じ解釈になる伝え方をしなくてはいけません。
その基本となる伝え方の順番は
“結論+(理由)”
理由は括弧書きで、できるだけ簡潔な文章で添えるのがベストです。
では、その伝え方を具体的にご紹介しましょう。
という文章に対して「海道」に修正するべきではないか、と疑問を出すとします。
すると書き方はこんな風になります。
×わかりにくい例
◎簡潔な例
次にカレンダーの例です。
あれ?上記のカレンダーと見比べてみると曜日が違っています。
日付と曜日は必ずカレンダーと一致していないといけないもの。
ここで正しい日付と曜日を確認してもらうための疑問を出します。
×わかりにくい例
◎簡潔な例
いかがですか?
丁寧に伝えようとすると、どうしても長い文章になってしまい、
相手は聞いたことを頭の中で整理しなくてはならず、労力がかかります。
端的に伝えるためのポイントは、
“結論から話す、理由が必要であればそのあとにそっと添える“。
これが校正者流の“ちょっと粋な” 伝え方です。
社会人として「伝える力」のスキルアップを目指したいものですね。