ワインの味はグラスで変わる~竹・陶器のワイングラスも!?
ディナーやパーティーはもちろん、
もはやビジネスの会合などでもメジャーなトークテーマの一つとなっている「ワイン」。
赤・白・ロゼといった種類はもちろん、年代・産地から「ボジョレーヌーボ」といった“旬”まで、ワインの味はいろいろな要因で変わってきます。
――そんなワインですが、どんなグラスで飲むかでも大きく味や風味が変わるって知ってました?
グラスで変わるワインの味
例えば、
・すらっとしたチューリップ型のグラスは、ワインの香りを少し抑え、苦みもまろやかに味わえます。
・ぼてっとした金魚鉢のようなグラスは、複雑な味はもちろん、その豊かな香りを最大限に感じることができます。
なぜこんなにも違うのでしょう?
1つは「舌との関係」。
味には酸味・苦味・甘味・塩味・旨味の5種類があるとされていて、舌は“全体で”それを感じています。
しかし場所によって感度にバラツキもあり、そのなかの1つの味を他よりも敏感に感じてしまうところもあるんだとか。
ですから、それぞれの場所にワインが接する時間や量によって、感じる味も変わってくるんですって。
もう1つは「コルクをあけてから、変わっていく味」
ご存じの通り、ワインは空気に触れると味が変わっていきます。
開けたてが1番いいとも限らず、古いワインなら「30分~1時間」、10年未満の若いワインでは「2時間から3時間」待つと“飲みごろ”になると言われています。
また、温度によっても味は変わります。
ですから、グラスに注げる内容量や飲み口の大きさ、ガラスの厚さなどもワインの味に影響してくるのです。
先ほどの・・・
そのためワインは舌の余計な部分に触れずにサッと上を滑ってのどに届くので、飲みごこちもさわやかに。
また、入っているのが「温度が大きく変化しないうちに飲みきれる量」でもあるのがポイントです。
「空気に触れる面積」「時間の経ち方」「ワインを滞留させるのに適した空間」など、香りのための計算をし尽くされています。
また大量に注ぐことができ、口に含んだ瞬間、ふわ~っとワインが広がるため、苦みや果実感などをたっぷり堪能できます。
パーティなどに出るシャンパーニュワイン(シャンパン)にはもってこいです。
材質で選ぶワイングラス
こうしたワイングラス、材質で言えばガラス製が一般的ですが、なかには「陶器製」なんておしゃれなものも。
異色の陶芸家・青木良太さんの陶器製ワイングラス『王様達のワイングラス』は有名です。一見、金属に見えますが、その手触りはちゃんと陶器です。
また、作家・小泉均さんが「錫(すず)」で作ったなんてものもあるんですよ。
でも「ボジョレーヌーボー」などをいかに新鮮に飲むかということを考えると・・・
著者がオススメしたいのは「竹」。
竹は「道管」というストロー状の管が束のように配列されて形成されています。それが断熱材の役割を果たし、ガラスや陶器と比べて器自体の温度が安定していて、ワインが外気の温度に左右されにくい造りになっているそう。
空気に触れる以上、コルクを抜いたその瞬間からワインの酸化が始まるのは仕方がないのですが、竹で飲むことによって、コルクを開ける前の状態(ワインにとって最適な状態)の温度をより長く保つことができるというわけ。
しかも天然素材のため、ガラスや陶器では感じられないやわらかな質感を口もとで楽しむことができます。
形に、材質にこだわって、ワインを楽しんでみるのも一興かもしれませんね。
ライター。俳優や放送作家、ラジオパーソナリティ(かわさきFM『平成POPオヤジーズ』放送中)としても活動。
『ヒットの潮流』班
当サイト『ダンラク』の運営会社・株式会社ダンク内のトレンドリサーチチーム