お年玉に一年の願いをこめて
もういくつ寝るとお正月♪
お正月といえばおせちに、お年玉。
もともとお年玉は「お餅」のことで、年の初めにお迎えした歳神様の魂をお餅に見立てて、そのお餅を分けることによって一年間の『生きる力』を授かるということに由来しているといわれています。
幼いころは祖父母の家や親戚の家に行った際「いつもらえるのか」とドキドキして楽しみにしておりました筆者・すずかすてらも、現在は「いつのタイミングで渡そうか」と悩む立場になってしまいました(しょんぼり)
自分も親戚のお兄ちゃん、おねえちゃんから可愛い袋でお年玉をもらえた時はテンションが上がったので、甥っ子・姪っ子に少しでも喜んでもらえるよう「可愛い&個性的なポチ袋」を探して渡すように心がけています。
お年玉がもっと嬉しくなるポチ袋
ポチ袋の「ぽち」は、なんとなく“小さいこと”と分かるのですが、では「ミニ袋」や「プチ袋」でもいいのではと思ったことがあるのは私だけなのかな・・・
このポチ袋の始まりは、明治時代(これはミニは使わなそう)に関西方面の旦那衆が贔屓(ひいき)の芸者さんやお店の方に心付けを渡すときに使ったことなんだそう。「ぽち」は関西地方の方言に由来し、当て字にすると「点袋」。少しばかりの心遣いを小袋にしたためた「これっぽち」という気持ちが「ぽち」になったとのことです。
最近のポチ袋は紙でできたものだけでなく、何度も使える帆布でできたがま口の「がまポチ袋」(がま口専門店AYANOKOJI)や、
フタを開けるときに「ポン!」とおめでたい音が鳴るだけでなく、紙幣を折らないで入れられる筒型のぽち袋「POCHI-PON」(大成紙器製作所)など、
バリエーションも盛りだくさん♪
さらに、最近はこんなこだわりのポチ袋も。
保護活動にも貢献できるポチ袋
2018年に発売された「ポチ福・タマ吉」というポチ袋は、犬と猫のキャラクターがあしらわれており、 ひげが紅白の水引きで斬新。そしてなんと裏には二次元バーコードがプリントされています。
でも、なぜポチ袋に二次元バーコード?
実は、この二次元バーコードを読み込むと、「Panel for Life (命のパネル)」いう保護犬・保護猫の殺処分をゼロにすることを目標に活動している団体の情報が閲覧できるようになっています。保護された彼らの状況を知ることで、命を大事にするきっかけにしてほしい、そんなお年玉の由来の『生きるための力をつなぐ』という意味も込められた、「贈ることで、人と人とをつなぐポチ袋」なんです。
自作ポチ袋で個性をだそう
絵心のある方なら一度は自分で作ってみたこともあるかも?
かつては、展開図を自作&写し取ってから絵を描くという作業だったのですが、
今の時代は展開図がWEB上で提供されており、デジタルで加工して出力するだけで誰でも簡単に作れてしまうのです。
さらに郵便局サイト(ゆうびん.jp)では年賀状はもちろん、ポチ袋もデザイナーさん提供のものをダウンロードできるので、自分好みのポチ袋を探してみてはいかがでしょうか。
ということで日本のお年玉事情は分かりましたけど、
調べてみると、おとなりの中国ではもっとすごいことになってるらしいんです!
お年玉は今や電子マネー時代!日本もその波に乗る?
中国のお正月は、旧正月(春節)。来年2020年は、1月25日(土)になります。
現在の日本のお正月は太陽暦(新暦)ですが、旧正月は太陰暦(旧暦、農暦、陰暦などともいう)によるもの。日本が新暦を取り入れたのは、1873年(明治6年)のことだそうです。
約150年前には旧暦でのお正月を祝っていたのですから、実はそんなに遠い昔のことではないんです。中国はもちろん、アジア各国で旧正月を祝う国は多いみたいです。
そして中国でももちろん、お正月といえばお年玉。
中国のお年玉は大人から子供へあげるものだけでなく、ご祝儀的な意味合いで大勢に配るものもあり、「紅包(ホンバオ)」という赤い封筒(これには魔除けなどの意味がある)に入れて渡すのだそうです。
ところが、ここ数年で大きく変わったことが起こっているそうで・・・
いまやお年玉は「電子紅包(ディエンツ・ホンバオ)」として電子マネーで贈られているというのです!
トークアプリを使ってひとりが親戚や友人などのグループ内に「電子紅包」を贈るとその金額が(均一ではなく)ランダムに分配され、グループメンバーたちはそのお年玉を我先にと奪い合う(早ければ高額とは限らない)という『搶紅包』(チアン・ホンバオ)という風習や、
『ポ●●ンGO』や『ド●ゴンク●スト・ウォーク』のように街中を歩き回り「紅包」を探し出すARゲームなども増えてきているんです。
2018年春節の大みそかには、6.88億人がこの「電子紅包」を利用したとか。(「36Krjapan」3月7日記事より)
人口約14億人(外務省データでは約13.90億人)なので、約半数が利用していることになるそうです。
まさにキャッシュレス社会先進国の中国。
日本も徐々にキャッシュレス社会が進んでいますから、伝統的な風習であるお年玉もスマホで簡単に贈るようになるのかも。
ただ、風情がない気もしますし、何より可愛いポチ袋を選ぶ楽しみがなくなることはちょっと寂しいかも、ですね。
お年玉も時代によって移り変わっていきます。一年を元気にすごしためにも、年の初めにみんな が笑顔になれるそんなお年玉・・・ほしいですね。